クレメンス・J・ゼッツ『インディゴ』に良い一節があった。
「最善なのは、孫に死んで見せるだけではなく、同時にこの最期の行為がそれほどひどいものではなく、真に絶望するきっかけにはならないと示すことです。これが歳をとってから遂行できる、最も気高く意味のある仕事でしょう。(p.290)」
特に本筋とは関係ないところで、ここだけやたらと他者に対するやさしさが満ちていたので印象に残った。他の箇所では主人公が彼女と浮気していた(と本人が思っている)友人の家の至る所にうっすらとうんちを塗りつけるシーンがやたら詳しく描写されていたりして、あんまり周囲に優しい感じではない。